基調講演 河合純一氏
1992年のバルセロナ・パラリンピックから2012年ロンドン大会まで6大会に出場し、金メダル5つを含む全21個のメダルを獲得した河合純一氏に講演をいただきました。
河合さんは、目が見えないので、目が見える人とは違った新しい視点を持っているのだそうです。この視点を持つことは、これからの社会に必要なことなのです。例えば、車いすで壇上に登れないことは、「足が問題」なのか「車いすが問題」なのかどちらなのでしょうか?前者は車いすに乗っている人に、後者は社会に焦点を当てることなのです。今までは前者に焦点が当たりがちでしたが、最近は、バリアフリーやアクセシビリティなどの言葉が日常にあふれるようになっています。今は、社会で改善していくという、人の心が変われば社会が変わる流れの中にいるということです。この大切な流れを2020年の東京オリンピック・パラリンピックに繋げていきたいと力強く話されました。
また、「夢」について話が続きました。ご自身は、給食を食べたかったので学校の先生になる夢を抱いたそうです。その夢は現実のものとなりました。もし、子供が夢を話したとき、大人の目線で首をかしげるような動機や理由であっても、大きな心でその夢を認めてあげてください、と強くそして優しく伝えられました。夢に向かって行動し続けることが人生にとってとても大切なことだからです。このことは、河合さんが、シドニーパラリンピックを目指す原動力にもつながりました。生徒たちに夢をかなえる方法を自分自身で見せてあげたい、そんな思いでシドニーへの夢をつかんだそうです。
最後に、河合さんから頂いた「夢から逃げるのはいつでもできる、でも続けるのは今しかない」、「本当に大切なものは目に見えない(星の王子様より)」を最後に紹介させていただきます。