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《シリーズ高校訪問 ⑤》

【岡山一宮高等学校】

高校訪問第5回目は岡山一宮高等学校です。

総務課長の熱田先生にお話しを伺いました。



◆アクセス◆

岡山駅より中鉄バスで約15分、楢津口で下車し、徒歩10分の場所に岡山一宮高等学校はある。自転車を利用すれば駅から20分。多くの生徒が自転車で通学している。

普通科、理数科を持つ全日制の高校。

創設以来、「フロンティアスピリット(開拓者精神)」を掲げ、時代の一歩先を見据えた教育を目指している。

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けるとともに、2010年にユネスコスクールの認定を受け、学校全体で国際交流や地域貢献に取り組んでいる。



◆施設・設備◆

すべての教室・特別教室にパソコン、プロジェクター、教材提示装置が設置されており、ICTを活用した授業が行われている。 SSHの指定により走査型電子顕微鏡や蛍光顕微鏡、紫外可視分光光度計など、大学研究室並の高性能実験設備が特に充実している。



◆SSH(スーパーサイエンスハイスクール)◆

SSHとは、将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を国が支援する事業で、岡山一宮高校は2019年に第4期(1期は5年間)の認定を受けている。

岡山一宮高校では、将来「科学知」(自然科学と人文・社会科学における学問領域ごと細分化された知)を統合し行動するリーダーを育成するため、5つのi コンピテンシー(資質能力)を育むカリキュラムが組まれている。


5つのi コンピテンシー(資質能力)

・情報分析活用力

・論理的思考力

・コミュニケーション力

・自律的に行動する力

・垣根を越える力















理数科だけではなく、普通科でもSSHの取り組みを行っている高校は全国でも珍しい。



普通科

普通科では、全教科バランスよく学習できるカリキュラムの中にも、探究型の授業が多く、グループで課題研究に取り組んだりアクティブラーニングのスタイルをとる授業も多い。

2年次より理系、文系に分かれ、自分の進路に合わせて特色ある教科、科目を選択することができる。


理数科

1年次から、数学や理科の楽しさや面白さを実感できる専門性を重視した科目を学習する。専門家(大学の先生や、企業の方)のアドバイスを受けながら、観察、実験や、課題研究に計画的に取り組み、その内容はかなり高度なものとなっている。海外研修や先端研究所訪問、学会発表にも参加している。


※入学後は、普通科から理数科、あるいは理数科から普通科への変更はできない。



◆大学聴講◆

7限の授業終了後に,岡山大学での授業を大学生と一緒に受講することができる。例年10

名以上の生徒が受講している。大学での受講は一宮高校での単位として認められている。


◆部活動◆

運動部15、文化部が19あり、岡山一宮高校の校風を表す「文武不岐」(文「学問」と武「武道」は岐(わか)れず)のもと、多くの生徒が学業だけではなく部活動にも積極的に取り組んでいる。


◆入学者選抜◆

2月に行われる「特別入試」で、理数科の定員の50%(平成31年では40人)の募集を行う。学力検査、面接の他に口頭試問が行われ、調査書と合わせて総合的な選抜が行われる(口頭試問の概要についてはホームページを参照)。

3月に、普通科、理数科の一般入試が行われるが、別々に募集をするのではなく,「くくり募集」として一括して募集し ている。募集人員は普通科と理数科の定員を合わせた数となり、いずれかの科が募集定員に達するまで、その科を 第1志望とする志願者から選抜する。次に定員に達していない科の選抜を, 第2志望の志願者を含めて定員に達するまで行う。 理数科志望の人は,第1志望を「理数科」、第2 志望を「普通科」で出願することを推奨する(理数科の定員の少なさを心配して出願する必要はない )。


◆進学実績◆

岡山一宮高校では国公立志望の生徒が多い中、平成31年度入試では、定員360中、201名が国公立大学に現役合格している。内訳は、一般入試による合格が112名、推薦・AO入試による合格が89名。また、岡山大学への現役合格は51名と、これらは、岡山県下で最多を誇る。

夏頃から始まる推薦、AO入試に対応するため、プレゼンテーション、面接、小論文の対策に力を入れている。生徒が希望する進学を叶えるため、一般入試だけではなく、さまざまに入試の機会を利用し成果をあげている。


取材後記

岡山一宮高校の廊下には生徒が取り組んできた課題研究が掲示されている。高校生の取り組みとは思えないようなハイレベルなものがいくつもあり、その内容に驚くばかりだった。16年目に入った岡山一宮高校のSSHの取り組みは、「挑戦」「協働」「創造」を掲げた「探究の一宮」の精神と相まって、学習の核となっているように感じた。興味あるテーマに課題を見つけ、探求し、成果を発表する、この一連の取り組みで育成されるiコンピテンシー(資質能力)は、大学進学後、社会に出てからも必要となってくる能力である。国公立大学でも推薦入試やAO入試が大きな広がりを見せる中、継続的な課題研究は受験する生徒の自信の裏付けとなり、年々大きな成果に繋がっているようだ。

2020年度から大学入試制度が大きく変わることになるが、岡山一宮高校ではこれまでの進路指導の経験を生かし、個々の生徒の志望に応じた、多方面からのバックアップを行う環境を整えている。これからの時代にどのような人材が求められるようになるのか、その変化に対応できるよう、知識だけではない、社会で活用できる能力を育成しようとする意気込みが伝わってくる訪問だった。



◇オープンスクール情報◇

第2回 8月22日(木)

    ・学校紹介

    ・授業体験

    ・岡山一宮高校生との座談会

・部活動

・施設見学

※HPより申し込み。


岡山一宮高校ホームページ

http://www.itinomiy.okayama-c.ed.jp/itiko.htm

岡山大学教育学部

附属中学校​PTA

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